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マストドン

December 14, 2018

この記事は、Mastodon Advent Calendar 2018 - Adventar 14日目の記事です。

 今から1万1000年前の遠い昔、マストドンという生物がいたことをご存知だろうか。これは、氷河期も終わり、気候も暖かくなってきた頃の物語──。

「パオーン(おっあっちにもマンモスがいるぞ!やっちまえ!)」
「ォーン(やめてっ・・・!体が大きいぶんあっついんだよこっちは・・まじやめてくれよ・・)」
「パオーン(この沼地は俺のもんだ!マンモスたちめ!駆逐してやる!」
「ォーン(アアアアアアアアアアアアアアアアアア)」
「パオーン(ふぅ…)」

 マンモスやマストドンにとって、涼しい沼地や森林を追い求め度々争いが起きていた。マンモスのほうが暑さに弱く、マストドンに駆逐されつつあった。
「パオーン(へへっこの沼地は俺らのもんだぜ・・)」

 あくる日、今日は日差しが強かった。こんな日は森林でじっとしているのが一番だと、彼らは1日中森林に引きこもって過ごしていた。
「パオーン(あちぃ・・・明日本気出す)」
「パオーン(明日になったらまた同じこと言うんだろ)」
「ォォン・・」

 そんな中、近くの茂みに微かな草の擦れる音。その生物、人であった。

「・・いる?」
「・・いるね・・・?」
「・・いくよ!」
「えぃっ!」
マストドンの尻に投げられた槍が刺さる。
「パオン!(あいったぁ)」

「どうだ?!」
「パオ!(おこ!)」
「だめだ逃げろ・・!」
「走れ!」
二人は走った。そう遠くないところに川がある。川を超えればおってこないだろうと川へと向かった。
少年と少女の二人組、男はナオといい、女はマホという名前だった。
「川が近づいてきたぞ」
「まって!はやい!」
「いいからいそげ!」
「パオーーーン(まてー)」

 川の音は静かだった。あまり強い流れではないが深さはどれくらいあるかはわからない。
「ふっふーん」
川には、おっさんがいた。名はトム、釣りをしているようだ。
「今日も大量だなぁ、・・・にしても、この魚顔がグロいな・・」
ダダダ・・・(駆け走る音)
「ん、なにか聞こえるな?」
「おっさん!邪魔!!」
「え?」
「え、っちょ」
「うわっ」
少年の足元には大きな魚が置いてあった。そこに足を引っ掛けてしまい、少年は見事に転び勢い余っておっさんに抱きついてしまう。
「やめっ・・」
そしてそのままおっさんと少年は、川へと落ち流されていってしまった。
「えっ・・・(困惑)」

ドスンドスン・・・(足音)

・・・

「あ・・・」

 後ろを振り返ると、マストドンがいた。
少女は目を大きく見開き、じっとマストドンを見つめた。そこから動くことすらできなかった。

・・・1秒・・・2秒・・・時間が経過した。

・・・7秒・・・・8.2秒・・・。

「パオ・・・///」

 マストドンは恋に落ちた。鼻で少女を掴み、背中にのせた。そして走った。
「きゃっ・・」
そこまで速い速度ではなかったが、少女にはかなり速度が出ているように感じた。
それもそのはず、少女もまた恋に落ちていたのだ。マストドンの背中にぴたっとくっつき、そのまま一昼夜を過ごした。

あれから一万と数千年のときが流れ・・。

カタカタ・・(パソコンを叩く音)

“Twitterのライバル? 実は、新しい「マストドン」(Mastodon)とは・・・”

「この記事・・・ウッ・・・頭が・・・」

・・・思い出したッ・・・!!!

 少女は慣れないLinuxコマンドを叩き、なんとかインスタンスを立ち上げることに成功した。

 そこには、パソコンのキーボードを必死に叩く、彼の姿があった。

 完


Kyle Mathews

おらん